浅草の六区でのれんを誇る天ぷら屋「天勝」は、看板娘鮎子が、采配を振っていた。父の金助は会合好き、兄の宏は、大学よりも落語に夢中。そこで、鮎子が自然板前の金さん、見習の三津田明と店をきりもりするはめになったのだ。ある日、晴着姿で明と一緒に観音様にお参りに行った鮎子は、貿易会社の青年社長遠藤一郎が運転する乗用車に泥をはねられ、くってかかった。数時間後、ガソリンスタンドを経営する仁木哲也に誘われた一郎は、鮎子の店に入って来た。思わずはっとした二人だが、哲也の紹介も終らぬ間に、鮎子はふくれてしまった。一方金助は、明の母伊沙子が働いている小料理屋芳村に、せっせと通っていた。勿論めあては伊沙子だが、一郎の父の道平も、伊沙子に店を持たせようと言いより、二人は犬猿の仲となった。宏は、社長が落語づきと聞いて、勇んで出かけた入社試験に失敗して、やむなく店の手伝いをするこ...
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